72歳の遊牧民女性の卵巣から55ポンドの巨大な嚢胞(のうほう)を摘出したました。
その嚢胞(のうほう)の重さは5歳児と同じ55ポンド(約25kg)相当だったようです。
【嚢胞(のうほう)】
嚢胞(のうほう)とは、軟組織内に病的に形成された液状成分を持ち、液状成分周囲を固有の単層上皮に覆われている球状の嚢状物を指します。
内容物が固体の場合は嚢腫と言います。
嚢胞ができる原因は、大きく分けて2つあります。1つは、分泌と吸収のバランスが崩れることで、分泌された液体が袋状に溜まってしまうことです。
もう1つは、細胞の増殖や変性によって、嚢胞状の組織が形成されることです。
嚢胞は、発生部位や内容物によって、さまざまな種類に分類されます。
■発生部位による分類
・乳房嚢胞
・卵巣嚢胞
・肝嚢胞
・腎嚢胞
・膵嚢胞
・脾嚢胞
・脳嚢胞
・骨嚢胞
・皮膚嚢胞
■内容物による分類
・水様嚢胞
・血液嚢胞
・漿液嚢胞
・脂肪嚢胞
・粘液嚢胞
・膿瘍
嚢胞の多くは良性で、放置しても問題ないことがほとんどです。
しかし、一部の嚢胞は悪性腫瘍を伴っている可能性があり、注意が必要です。
嚢胞の症状は、発生部位や内容物によって異なります。乳房嚢胞の場合は、しこりとして触知できることがあります。
卵巣嚢胞の場合は、下腹部痛や月経不順などの症状が出ることがあります。
肝嚢胞の場合は、腹部膨満感や食欲不振などの症状が出ることがあります。