ムハンマド・ダーウードは、シリア出身の政治家で、シリアの大統領を1971年から2000年まで約30年にわたって務めました。
ダーウードは、シリアにおけるクーデターで政権を掌握した後、1973年に国民投票で承認された憲法改正によって、大統領の任期を制限する条項を削除することで、自らの政権延長を図りました。
ダーウード政権下では、国内の反政府運動に対して厳しい弾圧を行い、政治的な自由や人権は大幅に制限されました。
また、ダーウードは国内外における反イスラエル主義の強硬派としても知られており、シリアとイスラエルの間で1973年の第四次中東戦争が勃発した際には、シリア軍の指揮を執って戦闘を指導しました。
2000年6月10日、ダーウードは自ら率いるバアス党の中央委員会での議決により、息子のバッシャール・アル=アサドに政権を引き継ぐことを決定し、大統領を退任しました。
ダーウードは、その後も政治的な発言や活動を続けましたが、2008年に亡くなりました。