現状の微細加工技術の限界を超える技法「ナノインプリントリソグラフィー」

物質に対して微細な加工をおこなう技術が広く実用化されている分野は半導体加工ですが、現在実用化されている「光リソグラフィー」や「電子線リソグラフィー」でも困難だったごく微細なスケールのパターンを、しかも短時間で可能にする技術をNIMSと東北大が可能にしました。

原理はとても単純、スタンプを押すこと。
ナノインプリントリソグラフィーという新技術です。
成功の秘訣は、金属とレジスト樹脂を結びつけるプライマーにありました。

この新技術を使って、既に光メタマテリアルという負の屈折率をもつパターンを刻むことにも成功しています。
どんな仕組みなのか、ご紹介します。

【ナノインプリントリソグラフィー】
ナノインプリントリソグラフィー(Nanoimprint Lithography)は、微細なパターンを作成するための高分解能の製造技術です。この技術では、光学的または物理的手法を使用して、ナノスケールのパターンをテンプレートに転写することによって、材料表面にパターンを形成します。

ナノインプリントリソグラフィーは、従来のリソグラフィーと比較して、高速でコスト効率が高く、高分解能のパターンを作成できるという利点があります。
この技術は、集積回路、光デバイス、センサー、光学素子など、さまざまな応用分野で使用されています。

ナノインプリントリソグラフィーの基本プロセスは、以下のようになります:

1. テンプレート作成:所望のパターンが刻まれたテンプレートを作成します。
2. レジストコーティング:ナノインプリント用のレジスト材料を被写体(サブストレート)に塗布します。
3. テンプレートとの接触:テンプレートをレジスト上に配置し、接触させます。
4. 印加圧力:テンプレートとレジストの間に圧力をかけ、パターンがレジストに転写されるようにします。
5. 分離:テンプレートとレジストを分離し、転写されたパターンを得ます。

ナノインプリントリソグラフィーは、微細加工やナノテクノロジーにおいて重要な役割を果たしており、次世代の電子機器や光学デバイスの開発に向けた技術として注目されています。

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